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BCG接種後の注意点

生後5か月になったらBCGを接種しますが、BCGは他の予防接種と異なるところがあり注意が必要です。

BCGとは?

BCGワクチンは結核の発病を抑えるワクチンです。

開発者のCalmetteとGuérinの菌(Bacille)ということでBCGという名前です。

小さい時期に結核に感染すると結核性髄膜炎や粟粒結核といった重症の結核になりやすいのですが、BCGワクチンはこれを予防します。

BCGワクチンの接種

BCGワクチンは法令により「生後1歳になるまで」のできるだけ早い時期に接種することとなっています。標準的には「生後5か月から8か月の間」に接種します。

管針という特殊な器具を用いて「経皮接種」します。「ハンコ注射」ですね。BCGワクチンは痕が残ることで評判は良くないですが、通常の方法で注射すると潰瘍ができて注射の痕が目立ったり、手技が難しくなったりします。管針を用いた「経皮接種」がもっとも洗練された方法です。

接種する部位は「上腕外側中央部」と定められています。ここ以外の部位には接種できません。以前、大変影響力のある方が我が子のBCGワクチンを足の裏に接種してもらったと発信して話題になりましたが、定められた部位以外では接種した痕がケロイドになって目立ったりするので、おすすめしません。

BCGワクチン接種後の経過

接種した当日や翌日など早い時期に接種した部位が赤く腫れてしまったりしたときは「コッホ現象」かもしれないので、接種した医療機関に相談してください。

通常は接種して10日ほど経過するころに接種した部位で反応が見られます。赤いポツポツが現れます。この反応は1~2か月でもっとも強くなりますが、そのあと徐々に目立たなくなります。

日本ビーシージー製造株式会社さんのサイトにBCG接種後の経過が分かる写真が掲載されています。

「コッホ現象」とは?

結核に感染している人がBCGワクチン接種を受けると、接種した部位の反応が通常より早い時期に強く出ます。これを「コッホ現象」といいます。

日本ビーシージー製造株式会社さんのサイトにコッホ現象の写真が掲載されています。

コッホ現象が疑われる反応が出た場合は、本当に結核に感染しているかどうかを調べる必要があります。BCGワクチンを接種した医療機関に必ず相談してください。

緊急性はないので、平日の診療時間内に相談してください。

BCGワクチン接種の副反応は?

BCGワクチン接種による副反応には、1)接種した部位がいつまでもジクジクしている、2)いったんおさまったが再びジクジクしてきた。3)わきの下にコリコリしたものができる、4)全身に発赤などがでる(結核疹)などがあります。重症のものとして5)骨や関節の病変などもありますが非常に稀です。

BCGは必要でしょうか?

2021年の統計で日本は「結核低まん延国(結核罹患率 人口10万人あたり9.2)」となりました。BCGワクチン接種が定められた1949年と比較すると格段に改善していますが、国内でも地域によっては結核低まん延国の基準を満たしていないところもあります。

今後すぐに全国一律でBCGワクチン接種が廃止になることはなさそうです。罹患率の低い地域から徐々に廃止になってゆくかもしれません。それまでは対象者は接種を受けたほうが良いと思います。