フルミスト®(FluMist®) 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン
フルミストは、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンという種類のワクチンです。鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンです。生きたインフルエンザウイルスを使った生ワクチンですが、接種してもインフルエンザのような強い症状を引き起こさないようにデザインされています。
インフルエンザウイルスの一般的な侵入口である鼻の粘膜に免疫を誘導するので、高い感染防御効果が期待できます。同時に血液内にも免疫を成立させるので、感染してしまった場合でも重症化を抑制します。
アメリカでは早くから実用化され、注射の不活化インフルエンザワクチンと同様に、インフルエンザウイルスに対する予防接種として広く使用されています。
日本でも一昨年に承認され、昨年から発売されています。当院では開院当初から個人輸入のかたちで接種を行っており、好評をいただいています。
注射によるインフルエンザワクチンは、血液中にインフルエンザウイルスに対する免疫を誘導するために、感染自体を防御する効果は十分でないことがあります(ワクチンの効果には、感染時の重症化抑制もあり、これについては従来のワクチンで十分期待できます)。
フルミストは鼻の粘膜の表面に直接免疫を成立させるため、理論的に高い感染防御効果を期待できます。効果の持続期間も注射のワクチンより長いとされています。
両側の鼻腔に両方の鼻の穴に0.1mLずつスプレーします。ごく少量ですし、刺激はほとんどありません。
接種できるのは、2歳から18歳までの方です。
接種回数はほとんどの場合で1回です。
2歳から8歳までの小児で、「これまでにインフルエンザに感染したことがない」、あるいは、「これまでにインフルエンザワクチンを接種したことがない」場合は2回接種が勧められます。ただし、添付文書では複数回の接種についての記載はありません。
添付文書では以下の人たちは予防接種を受けることが適当でないとされています。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者
- 妊娠していることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
以下の人については接種の可否について慎重に検討が必要です。接種を見送ることもあります。
- 治療のためにアスピリンを服用している人。
- 心疾患、肺疾患、肝疾患、糖尿病などの代謝性疾患、血液疾患、神経系疾患、免疫機能低下などの慢性疾患を持っている人。
- 医療従事者で、重症者治療ユニットや悪性腫瘍治療ユニットで働いている人。
- 免疫機能が低下した人と日常的に接する、介護者や家族など。
- インフルエンザワクチン接種後にギランバレー症候群を発症した経験がある人。
- 5歳未満で喘息の治療を行っている人、または、1年以内に喘息の発作があった人。
- 重いアレルギー反応を起こしたことがある人。
10月初めから接種開始する予定です。9月の下旬から予約の受付を開始します。必ず予約してください。
接種費用はまだ決まっていません。
予約の受付が開始された際は、予約アプリまたは予約サイトの「デジスマ」での予約をお願いします。現在は予約サイトまでは見ることができますが、予約はできません。

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